製作物は、値段だけで買ったらあかん!

見積書を手に、設備を導入したあとの製造現場を思い浮かべながら検討する工場責任者

Updated On 13-09-2026

先日、久しぶりに来社された得意先の営業と話しをしてて、唖然としたこと…。


こんにちは。

生産現場での「手間」と「モヤモヤ」を減らす人、けたろーです。

大阪・柏原(かしわら)市で、機械づくりと社長や現場の話を聴くことの両方で、生産現場をちょっとラクな環境にしていくサポートをしてます。 でも、本当につくっていきたいのは、余白(ゆとり)のある現場… だったりします。

さて…

設備の価格は見える。でも、その先は見えにくい

設備を導入するとき、価格は大切です。

予算があるので、いくらでもいいというわけにはいかないし、相見積もりを取って比較することも、経営として当然のことだと思います。 ただ、これまで長く設備づくりに関わってきて、何度も感じてることがあります。

それは、設備自体よりも、価格だけで判断されてしまうことが、意外と多いということです。

実際にその機械を使わない立場で見れば、「同じことができるんだったら、安い方でかまわない」となるのも、わからなくはないです。 でも、設備を考えたとき、見積書の金額だけではわからない要素があるのも事実です。

複数の設備見積書を机に並べ、価格や内容を見比べながら導入を検討する工場責任者

例えば、機械であれば、段取り替えや調整にどれくらい時間がかかるのか、だれでもできるのか、安全に作業できるのか、機械としての耐久性はどうなのか…。 などということがらは、見えにくいものです。

だから設備を選ぶときには、金額を比べるだけではなく、その設備を何年も使っていく現場のことまで考えてほしいと思っています。

安い設備がダメ、という話ではなく…。

以前、ある設備を見る機会があって…。 

機械的には、求められていた機能は備わっていて、ちゃんと仕事をしているようにみえました。

ただ、ボクが見た感じ、機械部品でのバリとりが甘いとか、機械下側のプレートの角が立っているとか、そういうことがちょっと気になって、危なさを感じたのです。 

細かいことなのですが、機能的に満足していたとしても、部品のバリや、角が立っているというのは、ふとした際に、ケガや事故につながってしまうリスクがあります。 同じ製作する立場で、そこが少し残念に思いました。 

また、スタッフ曰く、対象物が変わるたびに調整が必要で、現場ではいろいろと工夫しながら使っているとのことでした。

考えてみると、現場って強いんですよね。 強いというか、対応力があるというのが適切かも。

多少使いにくくても、そこで働いている人が工夫して、何とか動かしてしまいます。 そうすると、外から見れば「ちゃんと動いている設備」に見えます。

でも、その裏側で毎日のように誰かが調整していたり、そのために作業を止めていたり、「あの人じゃないとわからない」という状態になっていたとしたら、それも設備を使うためにかかっている負担になります。 

もちろん、だからといって高い設備を選べばいいという話ではありません。

必要なことが明確で、シンプルな設備で十分なら、わざわざ高価なものにする必要はないと思っています。 むしろ、余計な機能を付けずに済むなら、そのほうが使いやすい場合もあります。

大切なのは、「安いか、高いか」だけではなく、その価格で、どんな価値が得られるのか。

そこまで含めて考えることだと思うんです。

設備の価値は、買ったあとに見えてくる

設備を購入する人と、毎日その設備を使う人は、必ずしも同じではありません。

個人で、何もかも自分でという場合では、買うのも使うのも、同じ人です。 

でも、会社規模が大きくなって、経営や管理する立場になれば、現場の細かな作業まですべて把握するのは難しくなるでしょうし、だからこそ、判断材料としてわかりやすい「価格」に目が向くのも自然なことだと思います。

ただ、設備を決めるときに、一度だけでも、「毎日使う人はどう感じるだろ?」と考えてみてほしいんです。

段取りがしやすくなれば、毎日の準備時間が減ります。 ちょっとした調整を誰でもできるようになれば、詳しい人をそのたびに呼ぶ必要もなくなります。 機械が安定して流れてくれれば、人がずっと張り付いて見ている必要もなくなります。

そうなれば、作業者は空いた時間をほかの仕事に使えるし、作業する人にも少し余裕が生まれます。 また、それは同時に、生産が安定し、品質が上がっていくということにつながっていきます。  

こういうことは、見積もり上の機械のスペックだけではなかなか出てきません。 また、これらは、設備を何年も使うことを考えれば、そこにも大きな価値がうまれるのだと思っています。

設備価格は買うときの数字ですが、その設備を使う時間は、そのあと何年も続きます。 

重要なのは、どれくらい価値を生んでくれるか? ということだと思っています。 だからこそ、購入価格だけではなく、使い続けた先まで含めて設備の価値を考えてほしいんです。

価格以上の価値を届けるのは、ボクらの仕事

ここまで書くと、「結局、高い設備を買ってほしいということ?」と思われるかもしれませんが、そうではないです。

価格だけで判断してほしくないと言うのであれば、作る側にも責任があります。 

なぜ、この構造にするのか。なぜ、ここに手間をかけるのか。それによって、使う人の何が楽になるのか? そこに理由がなければ、単に高いだけです。

ボクらが目指したいのは、支払っていただいた価格以上に、「これを入れてよかった」と感じてもらえる設備を届けることです。 それは、機能をたくさん付けることではありません。

段取りに追われなくなったり、調整のために呼ばれることが減ったり、人がずっと張り付かなくても仕事が流れるようになったりする。

以前より現場に少し余裕ができたとすれば、それも設備が生み出した価値だと思うんです。 だから、価格よりも価値を見てほしい。

そして同時に、価格に勝る価値を届けるのは、ボクら作る側の仕事だと思っています。

何を作るかより、どんな現場にしたいのか

だから大青鉄工では、相談をいただいても、最初から「こんな機械を作りましょう」とは伝えません。 

誰が使うのか、何に困っているのか、どこに時間がかかっているのか。 これから先、どこまで対応する必要があるのか。

そんな話を聞きながら、必要なものを一緒に整理していきます。

話をしていくと、最初に考えていたほど機能はいらなかったということもあります。全部を自動化せず、人がやったほうが柔軟なところを残したほうがいい場合もありますし、新しい機械を作らなくても、今ある設備を少し変えるだけで済むかもしれません。

それでいいと思っています。

ボクらの目的は、機械を作ることそのものではないからです。 

設備に人が張り付くことなく作業が進む製造現場を見ながら、働く人の様子を確認する工場責任者

設備を入れたあと、人がずっと張り付かなくても安心して仕事が流れる。 段取りや調整に追われる時間が減り、「あの人じゃないとわからない」ということも少なくなる。 そして、そこで働く人に少し余裕が生まれる。

そんな現場に近づけるために、機械という「手段」を使う。 それが、ボクらの考える設備づくりです。

だから設備を考えるときには、「いくらで買えるか?」と一緒に、「その価格で、どんな現場を手に入れられるのか?」 ということも考えてみてほしいんです。

まだ、どんな機械を作ればいいのかわからなくても構いません。

今の現場で何に困っているのか、まずはそこから一緒に話をしてみませんか?


ここまで読んでくれて、ありがとうございます!

まず、話してみませんか?

現場のことで「なんとなくおかしい」
と感じていることがあれば、まず、話してみませんか?

うまくまとまっていなくても大丈夫です。

※ 無理な営業や契約を前提としたご案内は行っていません。

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