やさしい見え方の話。ー 第1回:「見えにくい」は誰にでも訪れる。

〝見えづらさ〟から考える、未来のやさしさ ということをテーマに、お届けしたいと思います。


こんにちは、
大阪・柏原で、時短設計®の視点で、生産環境への「ゆとり」をテーマに、〝合理化・省力化〟に向けた機械・装置をワンオフで手掛けています。 ダイセイテッコウ けたろーです!

歯ブラシや化粧品といった商品に使われる透明容器を使った「ブリスター包装(ブリスターパック)」。 目が見えない人にはとても扱いにくいかも? と思って、ブリスター包装機の中で点字を施す仕組みを開発しました。 

_なのですが、点字の識字率は10%以下…。 圧倒的に点字が読めない人の多さに気づき、「伝えるべき情報が届かないままになっている現実」があることを知りました。 

それをきっかけに、「点字が読めないなら、音声で届ければ!」と、QRコードを使って音声で商品の情報を届ける仕組みを考えました。 それが【QRボイスサポート】です。

「ものづくり」をしている立場だからこそ、何かしら社会へ貢献したい。 そんな想いで、ものづくりから情報のバリアフリー化につながる〝やさしい見え方〟を発信しています。

さて..

このシリーズについて。

この「やさしい見え方の話」は、全5回の連載シリーズでお届けします。 

ところで、「目が不自由な」とか、「目が見えない」という言葉を聴いたとき、皆さんはどんな印象を持たれますか? 

恐らく、真っ先には「完全に見えない=全盲」という状況をイメージされる方が多いのだと思います。 

でも、「ちょっと、見えづらいな」とか、「見えにくいな」という表現の場合ではどうでしょうか? たぶん、少し心当たりがあって、〝自分こと〟のように身近に感じられたのだと思います。 

このシリーズでは、年齢や病気に関係なく、誰にでも訪れる「見えづらさ」をテーマにしています。

「見えにくい」という感覚を通して、情報との向き合い方、社会のやさしさ、そしてボクら、包装に関わる者たちが生産現場からできるサポートまでをやさしい言葉で綴っていきます。

最終回では、生産ラインへの導入ができる「QRボイスサポート」の仕組みをご紹介します。

はじめに: 見えづらさは特別なことではない。誰にでも起こりうる「見えにくさ」

例えば…

朝、薬のラベルを読むのに少し時間がかかった… とか、
スーパーで「賞味期限どこだっけ?」とラベルを探しているうちに、買い物かごの中の食材がぬるくなってきた。

__ そんな経験、ありませんか?

多くの人は「老眼かな」「ちょっと疲れてるだけ」と思うかもしれませんね。 でも実は、それが 見えづらさ のはじまりなんです。 

特別な病気でも、珍しいことでもなく、誰の目にもゆっくりと訪れる自然な変化です。 

「見えづらさ」ってどんなこと?

「見えない」ではなく、〝見えづらい〟。

この微妙な違いが、日常ではとても大きな意味を持っています。

  • 文字がかすんでピントが合わない
  • 明るい場所がまぶしく感じる
  • 光が反射して読めない
  • 黒い文字が背景に溶けて見づらい

ほんの少しの違和感でも、それが毎日続いていくと、『情報を読む、判断する、行動する』というすべての場面で、小さなストレスが積み重なっていきます。

ストレスはやがて、眼精疲労とか、頭痛の原因になったりしていきますよね? 

もしくは、そのストレスの所為で〝文字を読むこと〟や〝物を見ること〟といった行為自体が億劫になって、やる気がなくなって、生活へのハリもなくなってしまう…。 という状況を生み出していきます。

「見えない」と「見えづらい」のあいだにある世界

完全に見えないわけではない。 でも、なんとなく不便…。

この〝あいだ〟にある世界こそ、多くの人が生きている現実なんだと思います。

たとえば——
・白内障の方にとっては、光がにじむ朝日がつらい。
・老眼が進むと、スマホの文字を腕を伸ばして読むようになる。
・緑内障の人は、視野の端に小さな〝見えない空白〟がある。

『ごめん、最近、ちょっと、老眼が…』 なんてことを言ってるうちは、まだ楽なのかもしれません。 

でも、実際の「見えづらい」ことへの状況は、外からはわかりません。 だからこそ、周りの人にも伝わりにくくて、〝ちょっとの困りごと〟が長く放置されてしまうことも多いんです。

社会の中にある〝見えづらさ〟

現代社会は「視覚」に大きく依存しています。

電車の時刻、スーパーの商品情報、スマホの通知、行政の案内… などなど。 あらゆる、すべてが、「見ること」を前提に設計されています。

だからこそ、「見えにくい」という状態は、時に社会との接点を狭めてしまうんですよね…

でも、見えづらさを抱える人は、決して「少数派」ではありません。 

日本では45歳以上の約半数が〝老眼〟を感じていて、緑内障や白内障などの目の疾患も、誰にでも起こりうる事となっています。 また、糖尿病などの疾病から目が悪くなることや、事故によることなどもありますよね。 

加えて、近年ではスマートフォンの普及の所為でなのか、近視の方がものすごく増えているそうで、〝近視パンデミック〟とも言われているようです。 

つまり、「見えにくさへの配慮」は〝特別な支援〟などではなく、『これからのスタンダード』なんです。

〝見えやすさ〟を生む小さな工夫

「見えづらい」という課題を解決するのは、必ずしも大きな技術ではありません。

たとえば…

  • 文字のコントラストを強める
  • 光の反射を減らす
  • 重要な情報を音声で届ける

たったそれだけで、情報への〝壁〟がやわらぎます。

やさしさは、デザインにも宿る…。 誰かの「ちょっと見づらいな」を見過ごさないことが、社会全体の安心につながるのだと思います。

次回予告

次回は、もう少し具体的に、『見えづらさ』の種類と「人によって違う見え方の世界」についてお話ししますね。

同じ「見えにくい」でも、人によって、見えている世界はまったく違う。 その多様な〝見え方〟を知ることが、やさしい社会づくりの第一歩になっていきます。


シリーズ案内

第1回:見えにくいは誰にでも訪れる(←今ここ)
第2回:「見え方」は人それぞれ
番外編:色がちがって見える世界
第3回:日常の中の〝ちょっとした不便〟
第4回:技術が支える〝見やすさ〟
第5回:QRボイスサポートという答え


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そうそう。 【機械化・自動化相談所】はじめました。 人手不足をなんとかしたいとか、機械化を考えてみたいんだけど話しを聞いてほしいとか。 お気軽にどうぞ。

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