トラックを手放してわかったこと。

けたろーです。

空が少し暗くなってきた。　また、夕立なのかな。　ここんところ、夕立が多い気がする。　それだけ、不安定なんだろうなぁ。　

さて。　今日はちょっと思考の話しでも。

工場にトラックは絶対条件なのか？

唐突ですけど、町工場ときいて想像できるものはなんですか？　作業場内の機械とかのイメージではなく、その他に『工場＝』で想像できるもの。

概ね、〝トラック〟かなって思います。　

が、うちにはトラックがありません。　正確にいうと手放しました。　手放して、かれこれ十数年くらいが経ちます。　トラックを手放して不便か？　というとそうでもなくて、むしろ、すごく楽になりました。

トラックを持っていた頃。

実のところ、親父が独立して事業を創める際には、ご多分に漏れず彼の頭の中には〝工場＝トラック必須！〟　という構図があったみたいです。　

創業時は軽トラで。

当時は確か、トラックをどうしようかと悩み、新車で５０万くらいの軽トラックを買ってたのを覚えています。　どこのメーカーかは忘れたのだけど、『商売繁盛』というキャッチで売られてた記憶がおぼろげにあります。（ステッカーも貼ってたかな。）

その頃のボクは、ちょうど高専生。　

免許をとって間なしということもあり、また、トラックがミッションだったこともあって、練習がてらたまに借りて乗ってました。笑　　ミッションの軽トラ、結構、走って面白かったですよ。

軽トラから普通のトラックへ。

なのですが、軽トラは小回りがきいて便利な反面、重いものを運ぶにはちょっと無理があって、過積載になりがち。(^_^;)　

運送中に事故するのも危ないというのもあって、早々に手放して、少し大きめのトラックに買い替えました。　当時の工場の天井が低かったので選べる車種も限定的で、低床タイプのトラックがトヨタにあったので、それを選んだみたいです。（確か、トヨエースだった記憶が…。）　

トヨタトラックは、結構長く乗っていて、ボクもちょこっと運転させたもらった記憶があります。

工場を引っ越して、しばらくはタイタン。

次に乗り換えたのがマツダのタイタン・ダッシュでした。　この当時は、今の工場に変わっていて、天井高さも気にすることもなく、〝低床〟の条件は特に考えなくて済んだようです。　トヨエースの新車も検討したようですけど、トヨタは高い。ｗ　なので、値段が手ごろなこともあって、タイタンが選択の決め手だったようです…

タイタンに乗ってる頃は、ボクもこちらに戻ってきてる頃でもあり、色んな思い出があります。　機械を積んで、結構、遠方まで行きました。　徳島に行ったり、静岡に行ったり、兵庫県の山奥の方に行ったりとあちこち行きました。　むろん、近場も。　

運送が本業ではないが故…

強く印象に残っているのが静岡と徳島の納品の時です。

静岡に行った際は、その日は風がきつくて、現地に着くと雨避けで覆っていたブルーシートがボロボロになっていて、穴があいていたのを覚えています。　また、徳島の際には、年内に納入だけでもしてほしいという先方の希望があり、雪がちらつくようなとても寒い日の大晦日に運びこんだのが思い出です。

機械を納めるときに難儀だったのが雨の日で且つ、それが遠方の場合。　なんせ、運送が本業ではないので道具が乏しいのです。　納品日が決まって、その少し前からはそれはもう天気予報とのにらめっこ。　雨とわかればブルーシートを買ってきて、前日から機体を積み込んで、養生して備えるという感じでした。　

トラックの運転自体はそれほど苦にはならなかったのですが、しんどかったことでいうと、遠方の客先に赴き、そこから帰ってきた時の疲労感が半端なかったことです。　ご存じの方も多いと思いますが、１．５トンクラスのトラックは乗り心地がいいとは言えず…　

シートのクッション性がすごく悪く、且つ、リクライニングもなくて、背もたれもほぼ、直角。　しかも、座席の真下にエンジンがあることもあって、走行中ずっと微振動が身体にあたっている感じで、たぶん、それが筋肉へ徐々にダメージを与えていくのでしょうね。　後日にやってくる腰・背中の痛みは、かなりつらく、４～５日くらいはまともに立てなかったです。

手放そうと思ったキッカケ。

トラックを手放すきっかけは、上記のような体験もベースにあって、ちょうど車検とも重なって、『さて、どうする？』　ということになった時でした。

その時、運送は本業に任せた方がいいんじゃないのか？　彼らならプロだし、自分らで運んで、余計なリスクを背負う必要もないだろう…　という考えが湧いたのです。　で、もうひとつが『運送費』についての考えもありました。　

運送費の問題。

トラックをもっている時は、仕事を引き受ける際には、

トラックを持たれてますよね？

的なニュアンスがついて回っていました。　クライエントの目線は、まず、トラックの有無。　すなわち、

トラックを持ってるなら、荷物の運搬は当然〝無料で〟やってもらえるんだよね？

というニュアンスのことです。　

クライエントからすれば、当たり前に引き取りに来てくれて、当たり前に運んできてくれる…　ような感じで捉えられてるところが多かったのです。　もしくは、トラックを貸してくれたら、自分らで運ぶので…　みたいなのもありましたね。　

近場の場合は特にそういう認識のところが多くて、当然のことながら、いずれもノーギャラ。　自分らで運ぶ分には、どういうわけかそれを運送費としては認めてもらえないのです。　

それでふと思ったのが、

しんどい目をして、リスクをおかして自分たちで運ぶより、やはり、餅は餅屋に任した方がいいのではないか？　　

ということです。

運送会社に頼めば、彼らもプロだし、きちんと運んでくれる。　そもそも、持っている道具も器材も違う。　とすれば、荷物（機械）の運搬はプロの彼らにお任せして、うちらは自分のクルマか他の手段で現地に入って、据え付け作業をきちんとやる方がいい。　それに手放せば、当然のように言われてきたことからも解放されるんじゃないか？　・・・と。

また、トラックを持っているとはいえ、常時そういった運送向けに使っているわけでなく、『運搬用途としての稼働率』がものすごく低かったのです。　結局、親父の通勤の脚でしかなく、その割には取回しが非常に悪く、コスパも非常に悪い。

それだったら！　ということで、手放そうという結論に至ったのでした。