公式LINEはじめました。 

図面描きになった理由。

けたろーです。

今日は、なんで図面を描くようになったか? 何を想いながら図面描きをしてるか? ってことを書きたいので、書きます! 笑

と、その前に…

そもそも、図面とは。

そもそも〝なぜ図面が必要なのか?〟 って、ご存知でしたか? 

ボクはそれを、創るべきものへの考えの整理と意識統一 だと捉えています。 

どういう事かというと、図面を書くことで、これから創るべきもへの考えをまとめ、全体像ををつかみやすくし、また、創るべきものに対しての意識を統一していく狙いがあるということ。 

意識統一とは、機械の場合ではその機械に対する目的でもあります。 何のために創るのか? できた機械で何をするのか? 同じベクトルに向かわせるということです。

ちなみに、図面には〝設計思想〟と言われるものが存在していて、『どういう想いでそれをつくるのか?』 一種のコンセプトみたいなものが内在しています。

アウトソースな頃のエピソード。

親父が会社を立ち上げた当初、(設計)図面を全てアウトソース(外注)にお願いして描いてもらってました。 ボクがここに入ってきてしばらくも、そのスタンスは続いていました。 

高専で設計を習ったとはいえ、それなりのスキルがなかったためアウトソースしてたのです。 (自身がなかったというのがホンネです。苦笑)

しかし、設計の一切合財全部を丸投げしていたわけではありません。 

客先から案件(テーマ)を頂いたあと、時には試作をつくって検証をしたり、どういう器材をつかって、どんな方法で創っていくのか? ある程度の道筋をたてて、それを依頼先の設計担当に説明し、図面の制作を依頼していました。 この時は、こちらとしての具体的な方法を提示したり、あるいは、設計会社側のアイデアを聴いてお任せしたりと、場合場合で進めていました。

ある時、こんなエピソードがありました。

部品点数で決まる世界?

ある機械を設計依頼する際のことです。 ある機構を実現するにあたって、その当時、お付き合いしていた設計会社の方にこんな話をしたのです。

Aというタイプの器材の方が取り付けが簡単で部品点数も減るし、製作コストも下がって、且つ、組み立て精度もあがるのでそれを使ってみたいと思います。 

部品メーカーからは新しい方式の器材や便利な部品がどんどんリリースされているので、それらを摂りいれていきたいというこちら側の意向を伝えたのです。

その時の会話では、その方はものすごく共感してくれているようで、考え方が同じだなと少し安心していました。 が、いざ、案件への着手となったとき、それが覆ったのです。

一瞬、なんでなん?? とその方を疑ってしまいました。 『話し聴いて、理解してくれたんじゃないの?』 って。

結局、ボクが思っていたAというタイプの器材は採用せず、より多くの加工部品が必要な方法で図面をあげてきたのでした。

外注であるが故。

その当時、ボクらが契約していた内容は、アイデアに係る費用(設計諸経費)と図面を描く枚数(工数)で支払金額が決まるという内容でした。 設計費は別に考えると、描いた枚数で報酬が決まるので、単純に言えば、描く部品点数を多くする方向で考えるほど、報酬が増えるということです。 これって、穿った見方をすれば、複雑にする方が、その人の稼ぎが増えるということ。 

例えば、据え置き型のモーター1個で済むはずの構成でも、なんだかんだとパーツ構成が多くなる方向で設計が行われ、それは同時に全体の構成自体が複雑になってしまう・・・ という方向で設計されていたのは事実です。 

この点については、〝そんなことないよ!〟っていわれる人がいるかもしれないのですけど、少なくとも、その時のボクはそういう印象を受けました。 

方向転換を決めた決定的な出来事。

また、単価の高い部品(器材)を選ぶ傾向にあったというのもあります。 それは丸で、こちらの予算など考えていないようで… その方も良かれと思って選定していたのだと思いますが、それが高い傾向にあったというわけです。 

細かい話しなのですが、例えば、素材などの面で環境的には鉄で十分なのにステンレス素材の物を選ぶとか、同種の部品であっても1~2ランク上のものを選定するとか。 となると、塵も積もればで、当然、うちの利益が圧縮されます。 

こちらとしても、購入品のリストが上がってきた時点で、ある程度はそれをチェックするようにしていたのですが、納期が厳しい時には、全部をチェックする余裕もなく、指示通りに購入する場合もありました。 

で、ある時、問題が起きたのです。

指示通りのパーツを購入し、組み付け、いざ、試運転! という時に、機械のメインとなる部分で『致命的な選定ミス』があることがわかったのでした。 ターンテーブルとモーターを連結する部品(カップリング)だったのですが、トルク計算を間違えていたみたいで、テーブルを間欠停止する際にスリップが発生し、定位置に止まらないという問題が起きました。

しかし、当の彼は悪びれる風もなく、

えらい、すんまへん。(大阪弁)
(ごめんなさいね の意味です)
代品はこの型番で。

の一言だけ…  

正直、『なんや、謝るだけか?』と思いましたよ。 その致命的なミスのお陰で納期がさらにタイトになって… ミスのお陰で、部品の作り変えも発生してるし。 ミスを出した割には、請求額は高かったし。。 

まぁ、実際、そんな状況では謝るくらいしかできないのでしょうけど、ちゃっかり請求というので不信感を抱いたのでした。

自分で描かねば! 

自分で描こう! って思ったのは、前述のエピソードがあった後からです。 

それに加えて、それまでにいろいろとアウトソースな方々が描かれていた図面をみてきて、

これくらいなら自分でも描ける・・かな。

と思ったからです。 

設計思想がなかった〝あの時代。〟

機械を設計するにあたっては、『設計思想』というものが存在しています。 

設計思想とは、創るべきものに対するコンセプトとか、方法、やり方をひっくるめた〝想い〟のところです。 どういう想いでそれを創るのか? そういう事がらにあたります。 機械に限らず、製作物に対しては、たぶん、それを描く人の何かしらの〝思想〟が入っているはずなのです。 それは、客先に対してもそうだし、会社としての〝利益〟の部分もそうです。(利益を得るために、ものづくりとして、それをどう捉えていくか? という部分。)

また、思想の分ってデザインひとつとってみても、全然考え方も捉え方も変わってくるのです。

例えば、とってつけたようなカバーのデザインで良しとする人もいれば、カバーをつけてでさえ、全体の調和を図ろうとする考え方もありますよね。 生産現場だからこれで良し とするか、生産現場だからこそ、より洗練された考え方で臨んだ方がいいとか。。 思想なので、人それぞれなのです。 

でも、それって、機械を創ってる側からすれば、その思想の在り方で会社としてのカラー(スタンス)がでてしまうということでもあります。

思い返してみれば、アウトソースを使っている時は自分らの〝設計思想〟が薄かったのかなという気がしています。 薄かったというより、なかったのかも。 

もちろん、事前の打ち合わせで、製作物に対する説明はします。 でも、設計思想って、それほど単純なものではない。 

この時の体験で、アウトソースを使う場合では、どれだけ説明したとしても、設計の方法、考え方は、描く人によってコントロールされてしまうのだな… って、そんなことを痛感したのでした。

自分の設計思想を入れる。

描き始めて思うのですけど、〝設計思想〟って大事だなぁって思っています。 

繰り返しますが、設計するという行為の中には〝思想〟が入ってきます。 設計思想のニュアンスで言えば、描く人のカラーとか、個性とか、デザインセンスもそうだし、強いて言うなら会社としての方向性や利益に関してとかも。 

要は、想いとか考え方そのものです。 個人でやっているなら個人の、会社でやっているなら会社としての〝それ〟がそのまま表面化するということです。 つまり、それが〝カラー〟です。

例えば、『とにかく安価に造る』だったり、『機能を含めた美の追及』だったり、『環境への対応』だったり、『シンプルさ』だったり。 そういった事柄が〝設計思想〟として製作物に表現されるのです。

アウトソースする場合、その表現が難しいのかなと思います。 もっと腹を割って話すか、もしくは、入り込みのような関係とかね。 こちらの事情とかスタンスや考え方を十分に理解してもらえるような〝濃い付き合い〟になっていれば、いわゆる、『ツーカー』の仲でなら、汲んでもらえるのかもしれませんが… 

でも、根柢はお互いに〝商売〟であって、利害関係がもちろんあるわけで。 互いにその思想に共感しあえないと、やっぱり難しいですよね。 で、ボクがもってる設計思想は、

作業現場に喜んでもらうにはどういう仕組みがいいだろう? 
創りやすく、シンプルな構成にするにはどうすればいいだろう? 
現場に対してクールなデザインとはなんだろう?

ということです。

使うのは、ボクじゃなくあくまでも作業現場。 だからこそ、その作業現場でのオペレーションをイメージしながら構成を考え、図面を描いてます。 それに加えて、実際に組む時の作業の流れや組みやすさもイメージしながら描いています。 せっかく描いても、組めなければ意味がないですからね。笑 

あとは、自分としてのエッセンスを入れるということ。 

幸運なことに、うちは描いたものを自分たちで創り上げるという一貫性があることが強みにもなっています。 

図面を描くということは、即ち、

ちゃんと組みたてられて、ちゃんと機能すること。

が大前提。 それにお応えできるよう、自分の感性を高め、イメージを鍛え、日々精進しております。


ご相談、お問合せはお気軽にどうぞ。