粒状製品の自動計数で計数ミスが起きた原因とは。サンプルと現場のズレに気づいた事例

粒状の製品を、決まった数だけ自動で計数し、ケースに詰める…。 

文章にすれば、単純な作業に思えるかもしれませんが、実際に機械化しようとすると、思わぬところでつまずくケースが少なくないです。 特に多いのが、「開発段階ではうまくいっていたのに、現場で稼働させてから計数ミスが発生する」というパターン。

※この記事は、以前公開していた内容をもとに、加筆・再編集したものです。


こんにちは。

生産現場での「手間」と「モヤモヤ」を減らす人、けたろーです。

大阪・柏原(かしわら)市で、機械づくりと社長や現場の話を聴くことの両方で、生産現場をちょっとラクな環境にしていくサポートをしてます。 でも、本当につくっていきたいのは、余白(ゆとり)のある現場… だったりします。

さて…

「サンプルはうまくいったのに、現場で計数ミスが起きる」その理由

ボクらは以前、包装受託業務をされている会社様から、粒状製品の自動計数・充填装置の開発を依頼されたことがあります。

大人数で行っている手作業での計数にかかる人件費を何とかしたい…。 というのがきっかけでした。

装置は無事に完成し、リリース後もしばらく順調に稼働していました。 …なのですが、ある日、計数ミスが起きたという連絡を受けたのです。 

つきつめていくと、頂いたサンプルと、実際に現場で扱う原料の状態にズレがあったことが原因でした。 

開発時のサンプルは「きれいすぎる」ことが多い

開発を依頼される際、最初にいただくサンプルは、きれいに整った状態のものがほとんどです。 これは決して悪意があるわけではなく、自然なことなのだと思います。

ですが、今回のケースでは、それが災いしました。 

粒状製品の自動計数装置で発生した計数ミスの原因を考える技術者のイラスト

実際の原料には、製造工程上どうしても避けられない「欠片」や「不揃いなもの」が混じることがあるようで、その点への情報共有ができていなかったというわけです。

今回のケース、糖衣がかかった粒状製品の中に混じっていた欠片や糖衣の塊が、計数センサーに拾われてしまったことが原因でした。

サンプルの中には、そういった「異物」の混入がなかったため、こちらとしても「サンプルの状態が正解」だと思って、作業を進めていました。 でも、実際に使用される原料では、状況が違っていたということです。

計数の方式は、プレートに規定数の穴を設けて、穴に入った粒を数える「枡計量方式」を採用しており、確実性・再現性の面でも十分に検証を重ねた設計でした。 でもそこには、糖衣の破片や塊りなどの『異物がある』という想定はなかったです。 

これは、結果論なのですが…。

原料を扱っている現場では、「異物がある」ということは『普通』に理解されていたのかもしれません。 でも、あまりにも『普通』なことなので、当然、設計する側も知っていることがらだと思っている。 

一方のボクらは、頂いているサンプルが情報のすべてなので、まさか異物が混じっているとは考えていない。 

結局、齟齬があったというわけです。 

この経験から、ボクらは今、開発の初期段階で「きれいなサンプル」だけでなく、あえて状態の良くない原料や不良品も一緒にいただくようにしています。

「サンプル=本番で使うものと同一」という前提を置かず、バックグラウンド(実際の原料がどんな状態でありうるか)まで含めて確認することを、標準の進め方に変えました。

計数・充填の悩みは、機械の性能だけの問題ではありません

「決まった数を正確に数えたい」「計数ミスやカウント漏れをなくしたい」というご相談をいただくとき、多くの場合、原因は機械そのものにあるのではなく、対象となる製品や原料の状態、現場での運用方法にまたがっています。

だからこそボクらは、装置を作る前の段階で、良品のサンプルだけでなく、実際に現場で起こりうる「不揃いなもの」「状態の良くないもの」までできるだけ詳しく聞かせていただくようにしています。

これは決め打ちで機械を作らない、というボクらのスタンスそのものでもあります。

この開発の詳しい経緯や、実際に起きた計数ミスの原因究明のプロセスについては、時短設計研究所で詳しくご紹介しています。 ▶ 粒状製品の計数ミスはなぜ起きたか? 開発から見えた原因と教訓(時短設計研究所)

粒状製品に限らず、計数・充填・搬送といった工程で「思うように数が合わない」「不良を見逃してしまう」といったお悩みをお持ちでしたら、状態の良くないサンプルも含めて、まずは現状を聞かせてください。

現場の状況を丁寧にうかがうところから、機械化・自動化の検討を一緒に進めていきます。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます!

まず、話してみませんか?

現場のことで「なんとなくおかしい」
と感じていることがあれば、まず、話してみませんか?

うまくまとまっていなくても大丈夫です。

※ 無理な営業や契約を前提としたご案内は行っていません。

☆ あわせて、読んでみてください。

計数用プレートに混入した欠片を発見し気づく技術者のイラスト

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