味付け海苔の製造現場では、調味液を染み込ませたスポンジローラで、海苔の表面に味をつけています。 食品に直接触れるものなので、定期的な洗浄は欠かせないです。
※この記事は、以前公開していた内容をもとに、加筆・再編集したものです。
こんにちは。
生産現場での「手間」と「モヤモヤ」を減らす人、けたろーです。
大阪・柏原(かしわら)市で、機械づくりと社長や現場の話を聴くことの両方で、生産現場をちょっとラクな環境にしていくサポートをしてます。 でも、本当につくっていきたいのは、余白(ゆとり)のある現場… だったりします。
さて…
「絞れているか、なんとなく不安」という現場の声

問題は、洗浄そのものより、洗った後の「絞り作業」でした。
スポンジといっても、台所用の柔らかいものとは違い、味付け工程で使われるスポンジは、そこそこ弾力があって、しっかり絞るにはそれなりの力が要ります。
こと、冬場の冷たい水作業は、じわじわと体に堪えるものです。 実は、作業もさることながら、担当者さんが一番気にしていたのは、「絞り加減の個人差」でした。
Aさんの日はしっかり絞れている。でもBさんの日は、なんとなく甘い気がする…。 衛生管理の観点からすると、この「なんとなく」が一番怖いんです、という話でした。
簡易的な絞り治具はメーカーから提供されていたようですが、「これで大丈夫」という確信が持てない。 マニュアルにしようにも、「力加減は適宜」としか書けない…。 そんな状態が続いていたそうです。
エアシリンダ式の絞り機が変えたのは、作業だけじゃなかった
そこで製作したのが、スポンジローラ用の絞り機です。

既存の絞り治具でどれくらいの力が必要かを計測し、エアシリンダのボア径に換算して設計しました。 電気ではなくエア駆動を選んだのは、水を使う作業だからこそ、感電のリスクをゼロにするためです。 ローラをセットしたまま、水をかけながら洗浄することもできます。
機械化して変わったのは、作業の負担だけではありませんでした。
担当者さんが「一番よかった」と言ったのは、「マニュアルに、ちゃんと書けるようになった」ということです。
「機械に◯回かける」という作業規定が決められ、チェックリストに記録が残せる。誰がやっても、同じ基準で処理できる。これは、HACCPをはじめとした食品衛生管理の「標準化・記録」という観点からも、大きな意味を持ちます。
単純な作業ほど、実は仕組み化の恩恵が大きいんです。手作業の「なんとなく」が、機械化によって「明確な基準」に変わる。その変化が、現場の安心につながっていました。
実機での詳しい様子などは、時短設計®研究所の記事でご覧いただけます。
▶ 味付け海苔のスポンジローラ洗浄を機械化して、現場の”なんとなく”をなくした話。(時短設計®研究所)
大切なのは、仕組み化すること。
今回は絞り機というワンオフの事例でしたが、根っこにあるのは「単純作業ほど、実は見落とされがちで、仕組み化の効果が大きい」という考え方です。
「こんな感じで」とか、「これくらいの加減で」とか、作業者の主観に依存した作業が行われている場合、そこには、個人差やムラが潜んでいます。 こと、品質に関わる作業では、客観的にかつ、定量的に示せることが重要です。
定量的に示すことができれば、仕組化も容易になります。
社内での検討・稟議の際には、以下の観点で整理すると、話が進めやすくなると思います。
- 現在の作業にかかっている時間と人数
- 作業者間のバラつきによるリスク(品質・衛生)
- HACCP・食品衛生管理の標準化・記録化の必要性
- 作業環境改善の必要性
「うちの現場に合うか確認したい」「どれくらいの費用感になるか聞いてみたい」
そんな段階でも構いません。
まずは、現場の話を聞かせてください
「自社の現場でも当てはまるのか」
「どこから整理すればいいのか」
そんな段階でも構いません。 うまくまとまっていなくても大丈夫です。
※無理な営業や契約を前提としたご案内は行っていません。
