なぜ機械化・自動化が必要なのか?人手の方が早い現場で考えたいこと

機械づくりの仕事をしていると、よく言われることがあります。

こんにちは。
生産現場での「手間」と「モヤモヤ」を減らす人、けたろーです。

大阪・柏原(かしわら)市で、
機械づくりと、話を聴くことの両方で、生産現場をちょっとラクな環境にしていくサポートをしてます。

でも、本当につくっていきたいのは、
余白(ゆとり)のある現場… 
だったりします。

さて…

「機械より、人でやる方が早いで。」

クライエントさんの現場で話をしていると、
よく出てくる言葉があります。 それが、

「そんなん、人手の方が早いで」

という考え方です。

概ね、古くからの工場長さんだったり、
もしくは、社長であったり… 

たしかに、内容によってはその通りです。

段取り替えが多い仕事、製品の種類が多い仕事、
数量が少ない仕事などは、機械化や自動化が
かえって合わないこともあります。

ただ一方で、
今の時代は「今だけ早いかどうか」だけで
判断してしまうと、
あとから現場にしわ寄せが来ることも少なくないです。

今回は、なぜ機械化・自動化が必要なのか。
そんな話を書いてみますね。

「人手の方が早い」は、
本当は間違いではない

まず前提として、
人の手の仕事がダメという話ではなく…

むしろ、
人の手だからこそ柔軟に対応できることも
多いです。

人には感性とか、直観力とか、
器用さとか、柔軟性とか… もろもろの
能力がありますよね。

イレギュラー対応、細かな調整、
感覚的な見極めなどは、人の力が活きます。

実際、現場では

  • まず人手でやってみる
  • やり方を固める
  • その後、必要な部分だけ機械化する

という流れの方が、うまくいくこともあります。

なので大切なのは、人手か、機械か
の二択ではなく、
どこを人が担い、どこを機械に任せるか
を整理することなんだと思ってます。

機械化・自動化の大きなメリット

手作業で組立や検品、搬送を行う作業者たちと、自動化設備を活用して少人数で安定運用する現場を対比して表したイラスト。

機械化や自動化の仕組みを創ってる立場で、
まず、メリットの面を挙げていきたいと思います。

① 作業の平準化がしやすくなる

まず、一番大きいかなと思うのが、
作業の平準化です。 

手順書やチェック項目をもとに作業の流れを標準化し、誰が担当しても同じように進めやすい現場づくりを表したイラスト。

つまり、
作業のバラつきを減らせることです。

人が作業すると、どうしても

  • 慣れている人は早い
  • 不慣れな人は時間がかかる
  • その日の体調や集中力で差が出る
  • 教える人によってやり方が微妙に変わる

といったことが起こります。

これは悪いことではなく、
人の作業である以上、自然なことです。

ただ、生産という視点で考えると、
その差が積み重なって

品質の差
作業時間の差
教える負担の増加

という事態へつながっていきます。

機械化して、
一定の条件で同じ動きを繰り返せるようになると、
「誰がやっても同じ結果に近づける」
という状態をつくりやすくなります。

これは単なる効率化ではなく、
現場の安定化につながる大きな要素となります。

② 品質が安定しやすくなる

部品を確認しながら検査や測定を行い、ばらつきを抑えて安定した品質につなげていく様子を表したイラスト。

平準化とつながる話なんですけど、
機械化や自動化は「品質の安定にも強く関わります。

人の手作業では、どうしても微妙なズレが出ます。
位置決め、押し込み量、タイミング、
角度、力加減。

また、人手による作業には、作業者個人の
「感性」も関わってきますね。

ある人がやると、丁寧。
でも、別の人がやると、ちょっと… という感じ。

小さな差でも、
数が増えると無視できなくなります。

一方で、
機械は条件が決まれば、同じ動作を繰り返すのが得意です。
そのため、

  • 仕上がりのばらつきが減る
  • 不良の発生を抑えやすい
  • 後工程への負担を減らしやすい
  • お客様に対しても安定した品質を届けやすい

という効果が期待できます。

以前に、捺印作業を機械化するという
案件にたずさったことがあります。

人手で捺印作業をされていて、
捺印後のワークをみせてもらったんですけど
おくびにも丁寧とはいえず。

均一ではなかったです。

たかが、捺印。 でも、されど、捺印です。
ちょっとしたことなんですが、
それも、品質にかかってきますよね。

機械化することで、文字が整いました。

つまり機械化・自動化は、
人を楽にするためだけではなく、
品質を守るための投資でもあるということです。

③ 人の手が空き、別の仕事ができる

自動化によって作業者が別の仕事に動ける現場を表したイラスト。

自動化で大きなメリットとなるのが、
作業中に人の手が空く時間が生まれることです。

たとえば、
これまで一人が付きっきりでやっていた作業を
自動化できれば、その人は

  • 次の段取り
  • 検品
  • 材料の準備
  • 周辺作業
  • 別ラインのフォロー

など、別の仕事に動けるようになります。

ここがとても重要です。

単に「その作業が楽になる」だけではなく、
人の時間の使い方そのものが変わるんです。

機械がやってくれてる「隙間時間」で
ほかの作業ができるようになる。

人手不足が続くなかで、
人数をただ増やすのは簡単ではないと思います。

募集しても来ない。 あるいは、
来ても、すぐに慣れるとは限らない。
教える側にも負担がかかる。

そう考えると、
自動化によって生まれる “手の空く時間” は、
現場にとってかなり大きな価値があります。

④ 少人数でも現場を回しやすくなる

少ない人数でも現場を安定して回しやすい状態を表したイラスト。

今、多くの現場で課題になっているのが、
人の確保です。

先日、ある現場さんでの話しで、興味深いことを
ききました。

最近は、スマホアプリを使って短時間・単発の
求人ができて、人の確保はしやすくなってる

でも、単発での求人はかなり大変なんだとか。

仕事を教えても、すぐに慣れないし、
慣れても次の日には来ないしで、逆にコストがかかる…
って。

製品を扱っているので、
生半可にされると、品質や信用にも影響する… 
とのこと。

以前なら人手で回せていた仕事でも、

  • ベテランが減ってきた
  • 若い人が定着しにくい
  • 採用できても教育に時間がかかる
  • 急な休みや退職の影響が大きい

といった問題が出やすくなっています。

こうした状況では、
「人がいれば回る」という前提自体が、
成り立ちにくくなっています。

こと、
長年やってくれてるベテランの高齢化が
死活問題になってるんだとか。

品質はもちろんのこと、生産数など、
ベテランに依存している状況では、
かなり問題ですよね。

だからこそ、機械化や自動化によって、
少人数でも回せる現場
属人化しにくい仕組み
をつくっておくことが重要になります。

人を減らすことが目的ではなく、
限られた人数でも、
無理なく続けられる現場に近づけること。

そこに意味があります。

それでも、機械化・自動化が
向かないケースもある

もちろん、
すべてを機械化・自動化すればいいわけではありません。

たとえば、

  • 品種替えが極端に多い
  • 数量が少ない
  • 製品ごとの差が大きい
  • 人の感覚や判断が重要
  • 投資に対して回収が見合いにくい

こうしたケースでは、
無理に自動化しない方がいいこともあります。

ただ、ここで考えたいのは、
全部を自動化するか、何もしないか
ではないということです。

  • 一部分だけ機械化する
  • 供給だけ補助する
  • 搬送だけ安定させる
  • 姿勢を揃える
  • 作業者の負担が大きい工程だけ助ける

といった考え方もあるということです。

大切なのは、現場に合った形で取り入れること。

機械化・自動化を「ゼロヒャク」で捉えて
100点のフル自動を目指すより、
今の現場に合う60点、70点の改善の方が、
現実的で効果が出ることも多いんです。

機械化・自動化は、
「ラクをするため」ではなく
現場を続けていくための手段

手作業中心で負担の大きい現場から、自動化設備と仕組みづくりによって安定して続けられる生産現場へつなげていく流れを表したイラスト。

機械化や自動化というと、

「ラクをしたいから」
「人を減らしたいから」

というイメージで受け取られることが
多いんだと思います。

でも実際には、もっと本質的な意味があります。

それは、
現場を安定して続けていくための手段
であるということです。

  • 品質を安定させる
  • 教育負担を減らす
  • 作業を平準化する
  • 人の時間を生み出す
  • 少人数でも回しやすくする
  • 将来の人手不足に備える

こうした積み重ねが、
結果として現場の強さにつながっていきます。

まとめ

「人手の方が早い」

これは、たしかに一理あります。

でも、今の現場に必要なのは、
その瞬間の速さだけを見ることではなく、
続けられる仕組みになっているか
を考えることではないでしょうか?

作業によって、
機械化や自動化には、難しい面もあります。
向き不向きもあります。

「これができないから、無理!」と
機械化・自動化の考えを全部否定、排除してしまうのではなく、

『どうすれば、作業環境がよくなるのか?』という視点で
現場に合わせて考える必要があるのかなって、
思います。

これから先の社会環境を鑑みれば、
作業の平準化、品質の安定、手の空く時間の創出、
少人数化への対応という点で、
機械化・自動化はとても有意義だと思います。

ボクは、
「とにかく自動化しましょう」ではなく、
その現場にとって本当に意味のある仕組みは何か
を一緒に整理しながら考えたいと思ってます。

今のやり方が合っているのか。
一部分だけでも機械化できないか。
人の負担を減らしながら、品質も安定させられないか?

そんな視点で見直してみると、
現場はもう少しラクに、もう少し強くできるかもしれません。



ここまで読んでくれて、ありがとうございます!

まず、話してみませんか?

現場のことで「なんとなくおかしい」
と感じていることがあれば、まず、話してみませんか?

うまくまとまっていなくても大丈夫です。

※ 無理な営業や契約を前提としたご案内は行っていません。

☆ あわせて、読んでみてください。

手作業中心で負担の大きい現場から、自動化設備と仕組みづくりによって安定して続けられる生産現場へつなげていく流れを表したイラスト。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!