前編では、仕様、安全、次への連携、使われ方といった、
ボクが機械設計で大事にしている考え方を書きました。
こんにちは。
生産現場での「手間」と「モヤモヤ」を減らす人、けたろーです。
大阪・柏原(かしわら)市で、
機械づくりと、話を聴くことの両方で、生産現場をちょっとラクな環境にしていくサポートをしてます。
でも、本当につくっていきたいのは、
余白(ゆとり)のある現場…
だったりします。
さて…
機械の設計範囲って、どこまで?
前編では考え方をメインにお伝えしたんだけど、
後編ではそこから一歩進めて、
その考え方を実際の設計にどう落とし込んでいるのか、
加工、組立、保守、部品対応といった
もう少し具体的な視点で書いてみます。
設計の捉え方の範囲にあたる部分のことです。
設計だけで終わらないから、
見えることがある
ボクが設計するときに、何をみているのか?
っていうと、図面の上で成立しているかどうかだけ
を見ているわけではないです。
確かに、機械を機能的に動作させるためには
それなりの計算も必要だし、大事です。
でも、それだけではダメかなって思ってます。
というのも、うちの会社、大青鉄工は、
いわゆる『設計だけ』をする会社ではないからです。
設計して、それを元に
購入品の段取りをして、
部品を加工して、
組み立てて、動かして、
仕上げる。
考えて、創って、リリース。
そこまで全部が、仕事の流れの中にあります。
描いた図面を他へ渡して、あとは作ってもらう、
というスタイルではありません。
だからこそ、
加工する側の気持ちも、
組み立てる側の気持ちも、
実際に動かして調整する側の感覚も、
できるだけ想像しながら設計したいと思っています。
自分たちで完成まで組み上げるからこそ、
どこにどれだけの精度がいるのか?
不用意な精度をいれることなく、
また、
この形状は加工しやすいかな?
この順番で無理なく組めるかな?
工具は入りやすいかな?
実際に動かしたときに困らないかな?
調整はしやすいかな?
そういうことを、
図面の段階から考えられるのは、
設計だけで終わらず、
実際につくって動かすところまで見ているからこそ
だと思っています。
きれいな図面を描くことももちろん大事です。
でもボクが目指したいのは、
現場でちゃんと形になって、ちゃんと使える設計です。
組み立てやすいかも、設計のうち

機械の設計というと、完成した姿ばかり見られがち
何だと思いますが…
実際には
どう組み立てるか
も大切な視点なんです。
- 組みやすい順番になっているか
- 工具が入りやすいか
- 無理な姿勢で作業しなくてよいか
- 精度を出しやすい構成になっているか
- 現場での据付や調整がやりやすいか
図面上では成立していても、
組み立てがやりにくいと、手間も時間も余計にかかります。
結果として、調整性や品質にも影響してきます。
つまり、設計は「完成形を描くこと」だけではなく、
そこに至るまでのつくりやすさを考えること
でもあるのかなって、思っています。
バラしやすいか、触りやすいか、も大事
機械は、一度つくったら終わりではありません。
こと、生産現場で使われるのであれば、
使い続ける中で、
- 清掃する
- 部品を交換する
- 点検する
- 調整する
- 修理する
といった場面が必ず出てきます。
だからこそ、
バラしやすいか、触りやすいか
も大事なことです。
たとえば、
- よく触る部品に手が届くか
- 外す必要のある部品が無理なく外せるか
- 清掃したい場所にアクセスしやすいか
- 消耗品の交換が複雑すぎないか
こうしたことが後回しになると、
日々の保全がしにくくなって、
結果として止まりやすい機械になってしまいます。
それに加えて、ボクは
バラしたあとに、ちゃんと元通りへ戻しやすいか
ということも大事だと思っています。
これは、組み立てやすさにも通じています。
外しやすくても、
戻したときに位置がズレやすい。
組み直すたびに調整が必要になる。
人によって仕上がりが変わってしまう。
そうなると、現場では扱いにくいです。
コストだけを考えれば、余計なことだと
思われるのかもしれませんね。
でも、
ただバラせるだけではなく、
再組立したあとにも再現性があるか。
なるべく元の状態へ戻しやすいか。
そこまで考えておくことが、
使い続けやすい機械につながると思っています。
設計の時点で、
その後の運用や保守まで考えておくことが大切だと思うんです。
部品への対応をどうするか
部品のことも、設計ではかなり大事なポイントです。
- 入手しやすいか
- 交換しやすいか
- 汎用品が使えるか
- 将来も対応しやすいか
- 特殊すぎて困らないか
もちろん、
内容によっては専用部品が必要なこともありますし、
ビジネスライクで考えれば、
部品に特殊性を持たせる方が、商売として
いい場合もあります。苦笑
ただ、すべてを特殊なもので固めてしまうと、
『現場から見れば』あとで困ることも多いです。
不具合が出たとき、すぐに部品が手に入るか。
交換に時間がかからないか。
対応できる人が限られすぎていないか。
そうしたことも、
現場で機械を使い続けるうえでは大事な要素です。
設計は見た目や動きだけでなく、
その後の付き合いやすさ
まで含めて考える必要があると感じています。
設計とは、仕組みを考えること

結局のところ、ボクが設計で気にしているのは
機械的なデザインだけではないんです。
その機械が、
- 現場の流れの中でどう役立つか
- 次へどうつながるか
- 人がどう関わるか
- どう組み、どう直し、どう使い続けるか
そうしたことを含めた、仕組み全体 です。
結局、機械は単なるモノではなく、
現場の中で働く仕組みの一部 なんだって思ってます。
既存の現場のなかで、
それが採り入れられた後、
どんな風に順応し、
どんな風に溶け込み、
どんな風に活用されるか?
だからこそ、
「ただ動けばいい」
で終わらせず、
「どう使われるか」
「どうつながるか」
まで見ながら設計したいと思っています。
まとめ
機械の設計をしていくとき、
お客様の仕様を満たすこと。
機械としてきちんと動くこと。
安全であること。
これらはもちろん大前提です。
そのうえで、ボクが大事にしているのは、
まず、設計する機械そのものへの理解です。
どんな風に動かすのか?
どんな風にワークが流れていくのか?
これはたぶん、多くの機械設計者が
当たり前にやっていることなんだと思います。
しかも今は、3DCADがあって、
立体的に機械を設計できるし、
画面の中で動作の確認もしやすくなっています。
昔に比べたら、
設計そのものはかなりやりやすくなっているはずです。
でも、ボクがほんとうに大事だと思っているのは、
機械そのものへの理解だけではなく、
次への連携 と 現場での使われ方 まで考えることです。
- 次工程につながりやすいか
- 人が扱いやすいか
- 組み立てやすいか
- バラしやすいか
- バラしたあとも元に戻しやすいか
- 部品対応しやすいか
- 続けて使いやすいか
こうしたことまで思い浮かべながら設計すること。
そこが、とても大事なんじゃないかなと思っています。
大青鉄工は、設計だけをする会社ではありません。
設計して、加工して、組み立てて、動かして、仕上げる。
そこまで見ています。
だからこそ、
図面の中で成立しているかどうかだけではなく、
図面の先にある現実まで意識しながら考えるようにしています。
そう考えると、
設計するということには、
やっぱり 『想像力』 がすごく大事なんだと思います。
世の中には、仕様を満たして動きさえすればいい、
という考え方の機械もあるのかもしれません。
作る側の都合や目先の利益が優先されていて、
その先の使い勝手や保守、次工程とのつながりまで
十分に考えられていないように感じることもあります。
3Dで機械そのものの動きは確認できたとしても
そこに関わる人や、現場の流れとか環境が抜け落ちていると
機械自体が優秀にできたとしても、どこかズレたものになってしまう。
でもボクは、そういう設計にはしたくないです。
機械は、図面の中だけで成立していても意味がありません。
現場の中でちゃんと機能して、使われて、次につながっていくこと。
そこまで含めて設計なんだと、ボクは思っています。
良ければ、前編もどうぞ。

ここまで読んでくれて、ありがとうございます!
まず、話してみませんか?
現場のことで「なんとなくおかしい」
と感じていることがあれば、まず、話してみませんか?
うまくまとまっていなくても大丈夫です。
※ 無理な営業や契約を前提としたご案内は行っていません。
☆ あわせて、読んでみてください。
