有限会社大青鉄工の代表、佐薙啓太郎(さなぎ けいたろう)です。
大阪・柏原市で、父が創業した大青鉄工の2代目として、機械の設計・製作や現場改善に携わっています。 その一方で、「社長の話し相手」や「しつもん経営会議」といった、人や組織に関わる活動もしています。
機械と、人や組織。
一見すると別々のことをやっているように見えるかもしれません。 でも、ボクの中では、どちらも「まず話を聞いて、今どうなっているのかを知る」ところから始まります。 だから、同じなんです。
機械づくりを続けてきて思うのは、やっぱり最後は「人」なんですよね。
プロフィール

佐薙 啓太郎(さなぎ けいたろう) 通称:けたろー(または、けい)
1971年1月 大阪生まれ
有限会社 大青鉄工 代表取締役
ものづくりとの出会い
ボクは、学校を出てすぐに家業に就いたわけではありません。
外の環境も知っておいた方がいいと思い、新卒で入社したのは、半導体の前処理を行う会社でした。 そこで約9年間、工場全体を見渡すシステム技術部門に所属し、生産工程全体に関わる仕事をしていました。
今になって振り返ると、この経験はかなり大きかったと思います。
ひとつの装置だけを見るのではなく、その前後で何が起きているのか。人やモノ、情報がどう流れているのか?
現在、機械を考えるときに「工程全体を見る」という考え方の原点は、この頃にあります。 SEとして、ネットワークやコンピュータシステムの考え方を学べたことも、その後の仕事につながっています。
家業を継ぐという選択

その後、父が創業した大青鉄工に入りました。 それまで勤めていた会社と町工場では、仕事の進め方も、現場の雰囲気もまったく違いました。 最初から機械づくりが分かっていたわけではありません。
父や周りの人に教えてもらいながら、設計や製作、現場での仕事を覚えていきました。 その中で、だんだん面白くなっていったのが、お客様の困りごとを聞いて「どうすればできるだろう?」と考える仕事でした。
自分で考えたものを図面にして、それが実際の形になって、最後には動き出す。
今でも、ここは機械づくりの面白さだと思っています。
機械が動くことと、現場が回ることは違う

機械づくりを続けてきて、うまくいかなかったことも何度もあります。 現場の期待に応えようとするあまり、状況の整理が足りないまま、自分本位に設計を進めてしまったこともありました。
装置は完成した。 ちゃんと動いている…。 自分では、いいものができたと思っていました。
でも、実際に使う人を見ると、どこかしんどそうだったんです。 操作や運用が少し複雑になってしまって、機械を入れたはずなのに、現場には別の負担が生まれていました。 そのときに実感したのが、
「機械が動くことと、現場が回ることは違う」
ということでした。
機械の動作そのものには問題がなくても、作業の順番や人の配置、役割、前後の工程まで見ていくと、別のところに無理が残っていることがあります。
機械をつくれば、それで現場が良くなるわけではない。
この経験は、今の仕事の仕方を考える大きなきっかけになりました。
だから、今の現場を知るところから
うまくいかなかった経験があったからこそ、今は「まず、聞くこと」を大切にしています。
どんな作業をしているのか。
どこで困っているのか。
何に時間がかかっているのか。
そこで働く人は、何を負担に感じているのか。
必要に応じて、現場を見せてもらったり、写真や動画、製品サンプルを確認したりしながら、まず、今の状況を理解する。 そのうえで、どうすれば、今より無理なく仕事ができるのかを考えます。
現場に機械を置くことが目的ではなく、あくまで機械は、現場の困りごとを減らすためのひとつの手段です。 だからこそ、その現場、その時の状況に合った方法を一緒に考える。
それが、今のボクの機械づくりの基本になっています。
機械のことだけでは、足りなかった
機械づくりをしていると、どうしても設備や仕組みに目が向きます。 でも、実際にその機械を使うのは人です。
同じ設備でも、使う人が変われば、使い方も変わる。 また、会社によって、仕事の進め方や考え方も違います。
機械としては問題なく動いているのに、なぜか現場ではうまく使われない…。 そんな場面を経験する中で、機械のことだけではなく、人のことも知っておいた方がいいと思うようになりました。
ちょうどその頃、家庭や自分のことでもいろいろ考えることがあり、心理学を通して人との関わり方について学び始めました。 そこで学んだことのひとつが、「聴く」ということです。
こちらが先に答えを決めてしまうのではなく、先入観をできるだけ持たずに、相手の話をじっくり聴く。 現場の相談でも、これは同じだと思っています。
「この作業が大変なんです」という話の奥に、別の困りごとが隠れていることもあります。
だから、すぐに機械の話へ持っていくのではなく、まずは何に困っているのか、なぜそうなっているのかをじっくり聴く。 そうやって、目の前に見えている問題だけで判断せず、その奥に何があるのかを一緒に探っていくことを大切にしています。
機械づくりから、人や組織の話へ
人について学ぶようになってから、仕事の中で話を聞くことの意味も、以前とは少し変わりました。
現場の困りごとを聞くこと。
働いている人の話を聞くこと。
経営者が考えていることを聞くこと。
扱っているテーマは違っても、「今どうなっているのかを一緒に整理する」という点では、ボクの中ではつながっています。
そこから始めたのが、「社長の話し相手」や「しつもん経営会議」です。
機械のことなら、現場を整理する。
経営のことなら、頭の中を整理する。
ボクが答えを決めるというより、話をしながら、その人なりの答えを見つけていくための時間です。
資格と、学んできたこと
今の仕事を続ける中で、必要だと思ったことを、その都度学んできました。
包装機械相談士
家業に入って間もないころ、一番困ったのが「包装の業界のことを知らない」ということでした。 包装機械について多少の知識はあっても、包装という分野については、分かっているようで分かっていないことがたくさんありました。
ブリスター包装機の設計・製作に携わる以上、包装分野の全体についてきちんと理解しておきたい。 そんな思いから「包装学校」で学び、包装機械相談士の資格を取得しました。
現在の「ブリスターパック・ラボ」で情報を発信しているのも、包装分野で積み重ねてきた経験がベースになっています。
心理カウンセラー/魔法の質問 認定講師
人との関わり方について学ぶ中で、日本メンタルヘルス協会認定心理カウンセラー、魔法の質問 認定講師の資格を取得しました。
機械設計とはまったく違う分野に見えますが、「相手の話を聞くこと」と「相手に問いかけること」は、現場の相談でも、人や組織の相談でも共通しています。
現在は「社長の話し相手」などの活動にも、この学びを生かしています。
マーケティングについての学び
町工場も、いいものをつくっているだけでは、その価値を知ってもらえません。
「何をつくれるか」だけではなく、「誰の、どんな困りごとに役立てるのか」を伝えることの大切さを感じ、エクスペリエンス・マーケティング(エクスマ)などを通じて、マーケティングについても学んできました。
このWebサイトを自分でつくり、現場で経験してきたことを発信しているのも、その取り組みのひとつです。
本を書いています
機械づくりや現場改善に関わる中で、考えてきたことを、著書『現場は変えられる。』で一冊の本にまとめました。
機械屋が書いた本ですが、機械の技術解説をする本ではありません。
現場で働く人のこと。
機械を入れただけでは、なぜ現場が変わらないことがあるのか。
人が動きやすい現場にするには、何を考えればいいのか。
これまでの仕事の中で経験してきたことをもとに、「現場を変える」ということについて書いています。
機械を考える前に、まず現場を見る。
このページでお伝えしてきたボクの仕事に対する考え方も、この本につながっています。
少しだけ、仕事以外のことも
仕事の話ばかりになったので、少しだけ個人的なことも…。
料理が好きです。
特に好きなのは、レシピ通りにつくるというより、「今日は何をつくろう?」と考えるところから始める創作料理です。
つくるものを考えて、必要な材料を決めて、買いに行く。 または、買い物してる中で、作りたいものを考えて、どういう順番でつくるかをイメージして、実際に調理して、最後に盛り付けて、食べる。
考えてみると、この一連の流れって、機械づくりとよく似ているんですよね。
何をつくるのかを考えて、必要なものを揃えて、つくる順番を考えて、形にして、最後に使う人へ渡す。
もちろん料理と機械設計はまったく別物ですが、頭の中にあるものを組み立てて、実際の形にしていくという意味では、どこか共通しています。 なのでボクにとって料理は、趣味でありながら、ものづくりの考え方を自然と使っている時間でもあります。
料理のほかには、家族の誕生日や記念日には、ケーキも焼きます。
お酒も好きです。
お酒も好きで、特にクラフトビールやシングルモルトウイスキー。 泡盛、日本酒、焼酎も好きなので、要するにいろいろ飲みます。笑
沖縄も好きです。
前職時代に久米島で体験ダイビングをしたのをきっかけにスキューバダイビングを始め、PADIのアドバンスも取得しました。 最近は、また少しブランク気味ですが。笑
音楽は…。
音楽は、浜田省吾、宮沢和史、SUPER BEAVERをよく聴きます。 ライブへ行くのも好きです。
猫とも暮らしています。 猫アレルギーだったはずなんですけどね。笑




もう少し、これまでのことを知りたい方へ
このページでは、今の仕事につながっている部分を中心に紹介しました。 家業を継いだころのことや、2代目として考えてきたことについては、別の記事でもっと詳しく書いています。
▶ 家業を継いだ時の話とこれからのこと|大青鉄工の未来への想い
今、取り組んでいること
機械の設計・製作だけでなく、今はそこから広がったいくつかの取り組みも進めています。
- 見えない・見えづらい人へ商品の情報を届ける「QRボイスサポート®」。
- 経営者が考えていることを話しながら整理する「社長の話し相手」。
- 人が自分で考え、動きやすい組織をつくるための「しつもん経営会議」。
一見すると、それぞれ違う活動に見えるかもしれません。 でもボクの中では、機械づくりと同じところから始まっています。
今、何に困っているのか。
どうなれば、今より少し良くなるのか…。 まず話を聞いて、一緒に考える。
現在取り組んでいることについては、別のページにまとめています。
気軽に、声をかけてください。
ここまで読んでいただいたので、どんな人間がやっているのかは、なんとなく分かってもらえたでしょうか。笑
機械の話でも、現場の困りごとでも構いません。
「こういうことって相談できますか?」
そんなところからでも大丈夫です。 まずは、今困っていることを聞かせてください。
機械や現場のことではなく、経営のことを話したい方へ
設備の相談ではなく、
「ちょっと頭の中を整理したい」
「誰かに話を聴いてほしい」
という経営者の方には、「社長の話し相手」という形でもお話を聴いています。
