後出しジャンケンをする人、社内にいませんか? 仕様が土壇場でひっくり返る理由

仕様の打ち合わせを重ね、あとは「これで進めましょう」というところまで来ているのに、最後の最後で、それまで一度も顔を出さなかった上司や他部署の方が現れて、話をひっくり返してしまう…。

心当たりのある方、いらっしゃるんじゃないでしょうか?


こんにちは。

生産現場での「手間」と「モヤモヤ」を減らす人、けたろーです。

大阪・柏原(かしわら)市で、機械づくりと社長や現場の話を聴くことの両方で、生産現場をちょっとラクな環境にしていくサポートをしてます。 でも、本当につくっていきたいのは、余白(ゆとり)のある現場… だったりします。

さて…

決まったはずの仕様を、後から、ごっそりひっくり返す人、社内にいませんか?

これは、親父が体験した実際にあった話です。 当時のボクは、帰ってきて間もなくのころのことです。 

ある大手企業から引き合いがあったんです。 それで、親父は担当者の方と何度も打ち合わせを重ね、仕様もほぼ固まって、最終段階。 もうすぐ、決まるかも! よかったね~ なんて話してたんです。 

あとはオーダーを待つだけ、という段階の打ち合わせの場で、それは一変しました。 それまで一度も顔を見せなかった方が同席されたそうです。 おそらく担当者の上司か、部外の方だったとのこと。

その方が、今まで決めてきた内容とはまったく違うことを話し始めたらしく、仕様を根底からひっくり返すような内容だったとらしく、打ち合わせに同席していた担当者の方は、キョトンとした表情をされていたそうです。

打ち合わせで仕様がひっくり返り、担当者と技術者が驚く様子のイラスト

今まで一緒に詰めてきた内容と全然違うのですから、当然だと思います。 親父は、頭にきて「お宅との取引は結構だ!」と啖呵を切って、その場を早々に立ち去ったって。 

担当の方も、その方には逆らえない様子で、申し訳なさそうな顔をされていたと親父は話してくれました。 うちの親父、それがどんなお客であろうと、理不尽な行為をされた場合には言うときは結構言います。笑 

その会社さん、某有名な会社で、決まってればそこそこ大きな仕事でした。 今の時代なら、もう少し冷静な対応を選んだかもしれません。 が、その状況なら、ボクも同じことをしたかも。苦笑

なぜ、こういうことが起きるのか

なぜ、起きるのか? ひとつは「そういう人」が社内にいるということも、事実としてあるのだと思います。 

本当は、「自分が主体」になって進めたいのだけど、事情があって、自分以外の誰かがすることになった。 立場的なものは理解しているのだけど、それを認めない気持ちが優先して、あれこれと「チャチャ」を入れてしまう。

いわゆる、承認欲求な面がそうさせてしまってるともいえます。

その他には、会社としての仕組みの問題もあるかもボクは思っています。

承認欲求などの心理面ではなく、ただ単純に、現場の担当者と、実際に決裁権を持つ方との間で、情報や合意が共有されていない。 仕様を決めるプロセスに、決裁者が最初から関わっていない。

だから、土壇場になって「聞いていない」「それでは困る」という話が出てきてしまう。

でもこれは、仕様を決める段階に限った話ではなく、機械を納めて、検収前の調整をしている最中にも、似たようなことが起きる場合もあります。

例えば、仕様にはない動作を指示されるとか、仕様にはない品種を提示されるなどという場合がそれです。 検収前の段階なので、挙句、「この要求をのんでもらわないと、検収できません」という状況にもっていかれる。

こうなると、単なる仕様変更というより、一種の脅しに近い状況になってしまうんですよね。

最悪は、支払いの段階です。 決まった値段を、最後にこじつけたように値切ってくる。 これも同じ類のことです。

こちらとしては、その人個人の資質を見るよりも先に、「この会社は、こういうことをする社風なのか」と受け取ってしまいます。 一度そう思われてしまうと、その後の関係性にも影響してくると思うんです。

後出しジャンケンは、発注側にとっても損失になる

後から、仕様変更など、いろんな要求を伝えてくる。 これって、後だしジャンケンと同じですよね。 

後出しジャンケンをする側に、悪気がないケースもあると思います。 単純に社内の連携不足だったり、担当者が上司への報告や巻き込みを後回しにしていただけかもしれません。

ですが、機械メーカー側から見ると、これは会社としての信頼に関わる話になってしまうんです。

後出しされると、折角決まりかけたことが、そこでまた仕切り直しになります。 仕様や検収の土壇場でひっくり返されると、時間が余計にかかる事態を招きます。

それは、以後の付き合い方にも影響することは否めないです。 「後出しジャンケンしてくる」という事実を踏まえ、その企業からの次の依頼に対しても、慎重にならざるを得なくなります。 支払いに響くような事態になれば、次回そのものの取引もなくなる可能性は高いです。

結果として、発注する側にとっても、スピード感や柔軟な対応をしてもらいにくくなる、という損失につながっていくんですよね。

信頼関係は、一度の商談だけでなく、その先何年も続く取引の土台になります。 後出しジャンケンは、目先の要求を通せたとしても、長い目で見ると会社の損益にかかわってくることなのかもしれません。

大青鉄工が、仕様を決める前にしていること

正直に言うと、どんな状況であれ、後出しをする会社は、後出しをします。 決裁権を持つ方に早い段階から同席していただいても、同じなんです。 むしろ、残念ながら、決裁権を持たれている方のほうが、そういうことをなさるケースが多いかなという印象があります。

そこは、ボクらも痛いほどわかっています。

だからこそ、打ち合わせを重ねる中で「ここは、後々ひっくり返る可能性があるかもしれない」と感じたときは、正直にそのままお伝えするようにしています。 社内でもう一度打ち合わせを重ねていただき、要求を一本化した上で、また話を詰めさせてください、とお願いするんです。

決裁者を交えて社内で仕様について話し合う打ち合わせのイラスト

現場の担当者さんお一人で、社内の意見をまとめるのは大変だと思います。

だからこそ、まとめていただく時間を、こちらから先にお願いする。 急いで仕様を固めるより、少し時間がかかっても、社内の合意ができてから前に進めたほうが、結果的にお互いのためになるからです。

おかげさまで、最近はこうした後出しのケースはほとんどなくなりました。 おそらく、世代が変わってきて、より「クリーン」になってきたのだと思ってます。 また、仕様を決める前の、この一手間を惜しまないようにしています。

親父のように、頭にきて「お宅との取引は、なしだ」と啖呵を切る場面は、できれば避けたいです。 可能な限り、穏便に進めたい。 そのために、社内の合意形成が済んでから、仕様を固めるようにしています。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます!

まず、話してみませんか?

現場のことで「なんとなくおかしい」
と感じていることがあれば、まず、話してみませんか?

うまくまとまっていなくても大丈夫です。

※ 無理な営業や契約を前提としたご案内は行っていません。

☆ あわせて、読んでみてください。

担当者と技術者が穏やかに仕様を確認し合う打ち合わせのイラスト

この記事が気に入ったら
フォローしてね!